「抗菌」は、物の外面にある菌が増えることを抑えることを指します。
細菌を一時的に死滅させたり取り除いたりする「殺菌」や「除菌」とは違います。
最も広く使用されている抗菌剤は「銀イオン」と呼ばれており、銀イオンが菌の表面構造を破壊することで不活性化させる働きがあります。
また、銀イオンよりも小さく、医療用具や衣類・食品包装材料に使われる「銀ナノ粒子」など他にもさまざまな抗菌剤がありますが、その中でも銀イオンは普遍的に使用されていることが多いです。
銀が電荷を帯びて溶媒内に溶け込んでいる状態が銀のイオン化であり、水などの溶媒に溶解することができます。イオン化された銀は抗菌性や触媒作用、電気伝導性などの特性を持ちます。
抗菌剤は細菌だけを攻撃し、人体への危険性はありません。
人の細胞には細胞壁がないことを踏まえ、細菌と人との構造的違いを利用して人への毒性を無くしたものが抗菌薬となっています。
抗菌の効果
抗菌加工製品に関する基準はJIS(日本工業規格)などにより定められており、細菌の増殖割合が100分の1以下である場合に抗菌表示を行うことができます。
しかし、この評価基準はあまり厳格ではなく、現状は抗菌効果があまり期待できない商品にも表示できるのです。
しかし、業界自主団体のSIAAマーク(抗菌製品技術協議会)による認証制度もあり、このマークを持つ製品は抗菌性に着目し、高い抗菌性を誇ります。
抗菌の弱点
抗菌には多くの利点がありますが、一部の弱点も存在します。
例えば、抗菌効果は菌と抗菌剤が直接接触することで発揮されますので、汚れや油分などが隔たりになってしまっていると抗菌作用が減少してしまいます。
また、日本では抗菌表示の規制が厳格ではなく、抗菌効果がほぼない製品でも抗菌と掲げることができてしまいます。
しかし、抗菌効果があまりないからと言って犠牲者が出るなどの社会問題には繋がっていませんので規制を厳重化することは難しいと考えられています。
前述にもある通り、SIAAマークのある製品は厳格な規制が行われていますので、抗菌性を持つ製品を厳選したい時にはこのマークがあることを確認すると良いでしょう。
コメント